和食トリビア集


八十八夜(はちじゅうはちや)

暦 5月

img_hachijuhachiya.jpg八十八夜は立春から数えて八十八日目に当たる雑節で、夏も近づく八十八夜~という唱歌があるとおり、この3日後が立夏です。

日本では陽の数である奇数を縁起のよい数字としていますが、陰の数である偶数でも八という数字に関しては、末広がりで縁起がよいとされています。

この時期は茶摘みが最盛期を迎える頃です。八十八は末広がりの八が重なることから縁起がよいとされて、この日に摘み取ったお茶を飲むと長生きが出来るといわれています。また八十八という数字は米という字になるため、88歳の賀寿は米寿といいます。

日本に最初にお茶がもたらされたのは、奈良、平安時代とされていますが、このときに遣唐使や僧侶によってもたらされた団茶と呼ばれるお茶は一般には広がりませんでした。鎌倉時代になると宋から茶の種を持ち帰った栄西禅師により、抹茶の喫茶方法が武家や禅院に広まり、その後の茶道の完成に繋がっていきます。当時お茶は一部の特権階級の人たちの飲み物でした。お茶を一服と数えるのは、お茶が当初は薬として用いられていたことに由来します。

和食店で食中に出されるお茶はほうじ茶で、料理の味を損ねないとされています。また日本料理では同じものを重ねて使わないという基本があるため、食事の前には煎茶、食中や食後にほうじ茶など、使い分けをするのが基本です。
(2013年掲載)