鮎は、秋になると産卵のために川を下ることから下り鮎(くだりあゆ)といい、落鮎とも呼ばれます。
鮎はその成長段階でさまざまに料理されますが、名残(なごり)の時期の落鮎は煮浸しにして味わいます。煮浸しは、秋の味の落ちた鮎を素焼にしてから薄味の煮汁で焚いて、そのまま煮汁に浸したものです。
稚魚の頃にプランクトンなどを餌とする鮎は、成長するに従って硅藻(けいそう)などの水苔を食べるようになり、特有の香気を持つことから香魚と呼ばれます。鮎の旬は本来、土用にはいってからの20日間といわれています。
鮎は中国では鯰(なまず)のことを指す漢字です。古事記で、神功(じんぐう)皇后が三韓征伐の折に釣りをして戦勝を占ったとされることから、その魚を鮎と書くようになったと伝えられています。(2014年)